夏休み明けの廊下に張り出されるポスターを見渡すと、圧倒的な確率で「地球」が登場する。丸い球体を描き、その周りに国籍の異なる人々が笑顔で手をつなぐ。この記号化されたビジュアルは、昭和の時代から平成、令和へと引き継がれてきた。
なぜこれほどまでに定着したのか。理由は単純だ。指導する教員側にとっても、描く生徒側にとっても、「無難で伝わりやすい」からである。しかし、この予定調和なデザインに対して、当の子どもたちからは「またこれか」という冷めた視線も注がれている。記号化された平和は、かえって思考停止を生んでいるのではないかという指摘は根強い。