「大阪の中古マンション相場が急変した」という声が市場関係者から相次いでいます。なぜここまで価格が吊り上がり、そして今どこへ向かおうとしているのか。その背景には、単なる一時的なブームでは片付けられない3つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、新築マンションの供給激減と価格高騰による「強烈な玉突き現象」です。建築資材費の高止まりと人件費の上昇により、大阪市内中心部の新築坪単価は平均で500万円超が日常化しました。これにより、一般的な共働き実需層(パワーカップル)の予算上限を完全に突破。新築を断念した厚い購入層が築浅・築中の中古市場へ一斉に流入し、大阪中古マンションの価格高騰の理由を形成しました。
第2の要因は、大阪IR・万博 不動産価格の影響です。夢洲を中心とするベイエリアの基盤整備や、うめきた2期(グラングリーン大阪)をはじめとする都心部の大規模再開発により、大阪の都市ブランド力は国内外の投資家から再評価されました。特に円安基調を背景とした海外個人投資家からの資金流入は、御堂筋線沿線の中古タワー物件を中心に相場の下支えどころか押し上げ圧力として機能し続けています。
第3の要因として、近畿圏不動産流通機構 レインズ動向のデータが示す「成約平米単価の上昇と在庫件数の乖離」が挙げられます。データによると、大阪市中心6区(北区・中央区・西区・福島区・天王寺区・浪速区)の成約平米単価は前年比+6.8%と堅調さを維持する一方、近畿圏全体の中古マンション新規登録件数は過去最高水準まで積み上がっています。つまり、「選ばれるごく一部の優良物件」だけが高値で成約し、それ以外の物件が取り残されるという、見かけの平均相場では見えない急激な二極化が起きているのです。