民間のテーマパークや大規模サファリパークの入場料が高騰を続けるなか、池田市立五月山動物園の入園料が無料である理由には、池田市が長年培ってきた都市計画と国際親善の歴史が深く関わっています。五月山公園の一角に1957年(昭和32年)に開園した同園は、市民の情操教育と憩いの場を提供する都市公園法に基づく公共施設としてスタートしました。
さらに決定的な要因となったのが、オーストラリア・ローンセストン市との姉妹都市提携です。1990年に親善の証としてウォンバットが寄贈されて以来、池田市は動物園を単なる観光商業施設ではなく「国際交流のシンボル」兼「地域の子育て支援拠点」と位置づけました。市の一般財源や指定管理制度、さらには全国のファンから寄せられる「ウォンバット応援寄附金」やふるさと納税などの官民一体となった支えがあるからこそ、開園以来の一貫した無料開放が維持されています。
取材に応じた自治体関係者や地元ボランティアの証言からも、「子どもたちが日常の散歩コースとして本物の動物に触れ合い、命の尊さを学ぶ場を金銭的ハードルなく提供したい」という強い公共マインドが現場に根付いていることが伺えます。