DAZNの導入を検討する野球ファンが最も直面しやすい落とし穴が、「広島東洋カープの主催試合(マツダスタジアム等でのホームゲーム)が配信されない」という事実です。「なぜ広島戦だけ見られないのか」という疑問に対し、ネット上では様々な憶測が飛び交っていますが、その背景には広島地域特有のメディア事情と球団経営戦略が深く関係しています。
球界関係者やメディアアナリストの分析によると、広島カープは地元・広島の民間放送局(RCC中国放送、広島テレビ、広島ホームテレビ、テレビ新広島)およびNHK広島放送局との間に、数十年にわたる強固な信頼関係を築いています。地元広島におけるカープ中継は常に驚異的な高視聴率を記録するキラーコンテンツであり、地上波での生中継が地域文化として定着しています。
仮にインターネット配信で主催試合を全国へ無制限に開放した場合、地元地上波の視聴率低下やスポンサー価値の毀損を招きかねないという懸念が存在します。また、有料放送分野においてはCS放送の「J SPORTS」が長期にわたり広島カープ主催試合の全試合完全生中継の権利を保持しており、DAZNへの放映権サブライセンスが許諾されていないのが実情です。
ただし、「広島戦が一切見られない」わけではない点には注意が必要です。他11球団の本拠地で行われるビジターゲーム(広島が敵地に乗り込む試合)はDAZNで問題なく全試合生配信されます。つまり、全143試合中、広島主催の約71〜72試合を除いた約半数の広島戦はDAZNでもリアルタイム観戦が可能です。