1967年、音楽シーンに激震が走った。ミリオンセラーを記録した「虹色の湖」である。中毒性のあるポップなメロディと、どこか哀愁を帯びたハスキーボイスが融合したこの楽曲は、瞬く間に若者たちの心を掴んだ。昭和歌謡史におけるグループ・サウンズ全盛期にあって、ソロ女性歌手として異彩を放った彼女のスタイルは革新的だった。
レコーディング現場では音一つ、語尾のニュアンス一つにも一切の妥協が許されなかったという。楽譜の行間から溢れ出るような官能性と張りつめた緊張感。それは、妥協を嫌うプロフェッショナルたちの熾烈な葛藤から生まれた奇跡のサウンドだった。