アンモナイト(学名:Ammonoidea)は、古生代デボン紀初期(約4億年前)に出現し、中生代白亜紀末(約6600万年前)まで繁栄した海生軟体動物です。最大の誤解は「カタツムリや巻き貝の仲間」という認識ですが、解剖学的・進化学的にはイカやタコ、オウムガイが属する頭足類に位置づけられます。
殻の内部は、生物本体が収まる「住房(じゅうぼう)」と、空気が詰まった小部屋に分かれた「気房(きぼう)」で構成されています。気房を仕切る壁を隔壁(かくへき)と呼び、それらを貫く一本の細い管(連室細管)を通じて気体と液体の比率を調整し、潜水艦のように浮力をコントロールして海中を自在に移動していました。
軟体部には獲物を捕らえるための触手、硬い獲物を噛み砕くカラストンビ(顎板)、そして視覚に優れた複眼状の眼を備えていたと考えられています。小型のプランクトンを捕食するおとなしい種から、魚類や甲殻類を襲う大型の捕食種まで多岐にわたり、直径数センチメートルの小柄なものから、最大で直径2メートルを超えるパラプゾシア(Parapuzosia seppenradensis)まで、爆発的な多様性を誇りました。