呼吸困難が限界に達している終末期の看取りにおいて、家族ができるサポートは医療行為だけではありません。患者が最も恐れているのは「窒息するような恐怖」と「孤独」です。背中をゆっくりとさする、手を握る、額を冷やすといった直接的なスキンシップは、患者の副交感神経を刺激し、不安を和らげる確かな効果があります。
また、呼吸が苦しい時は完全に仰向けで寝かせるよりも、上半身を30度ほど起こしたファーラー位や、クッションを抱え込む前傾姿勢を取らせることで横隔膜が下がり、呼吸が楽になります。意識が薄れているように見えても、聴覚は最期まで残されているとされます。慌てて大きな音を立てるのではなく、「そばにいるよ」「ありがとう」と落ち着いた穏やかな声で語りかけ続けることが、何よりの精神的ケアとなります。