どれほど優れた特急列車であっても、山岳地帯を走る以上、自然環境に起因する脆弱性は避けられません。SNS上の利用者の声や運行統計を分析すると、特急「しなの」特有の2大リスクが浮かび上がってきます。
第1のリスクは、特急しなの 運行状況に直結する天候の影響です。木曽谷沿いを抜ける中央西線区間は雨量規制基準が厳格であり、台風や線状降水帯による大雨が発生すると、即座に運転見合わせや部分運休(中津川〜木曽福島間など)が発令されます。豪雪地帯を走る篠ノ井線区間でも倒木や雪氷対策による遅延が度々発生するため、旅行当日の気象情報とJR各社の運行速報は常時モニタリングしておく必要があります。
第2のリスクは、振子式車両特有の「揺れ」による乗り物酔いです。ネット上の口コミでは次のような体験談が散見されます。
「木曽路の連続カーブを猛スピードで曲がっていく感覚は迫力があるが、パソコンで作業をしていると短時間で車酔いしてしまった」(30代ビジネス客の手記)
「独特の遠心力とフワッとした傾きがあり、下を向いて読書をするのは厳しい」(40代観光客)
制御付き振子とは言え、遠心力による加速度を完全に相殺できるわけではありません。カーブに合わせて車体が傾くタイミングと乗客の内耳感覚にわずかなズレが生じるため、酔いやすい体質の方は「進行方向の景色を遠くまで眺める」「事前に酔い止め薬を服用する」「車両中央付近の揺れが少ない座席(各車両の中間列)を確保する」といった自己防衛策が不可欠です。