相続人がいない遺産はどうなる?国庫帰属の真相と手続き完全解説

相続人がいない遺産はどうなる?国庫帰属の真相と手続き完全解説

相続人がいない遺産はどうなる?国庫帰属の真相と手続き完全解説の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉で紐解きます。

家族のかたちが多様化した現代において、最も深刻な悲劇が起きやすいのが「事実婚・内縁関係」と「親族以外の献身的な支援者」の処遇です。

日本の現行民法において、内縁の配偶者における相続権の真相は極めて過酷です。たとえ30年、40年にわたり同居して家計を共にし、介護を最後まで担ったとしても、婚姻届を提出していないパートナーには法律上の法定相続権が一切認められません。戸籍上の婚姻関係がない限り、配偶者の法定相続分(2分の1など)を主張することは不可能です。

この不条理を救済するために設けられている制度が、特別縁故者への財産分与の条件を定めた民法第958条の2です。具体的には以下のいずれかに該当する人物が家庭裁判所に申し立てることができます。

  • 生計を同じくしていた者:内縁の夫・妻、事実上の養子・養親など
  • 療養看護に努めた者:報酬を得ずに長期間の看病や生活介護に尽力した友人や知人、息子の嫁(姻族関係が切れた場合など)
  • その他特別の縁故があった者:生前、故人と深い精神的・経済的結びつきを有していた法人や個人

司法の現場を検証すると、「長年尽くしてきたのだから当然全財産をもらえるはずだ」という当事者の期待と、裁判所の審判基準との間には著しい温度差が存在します。家庭裁判所は、単なる日常的な声かけや形式的な訪問程度では特別縁故者として認定しません。日記、介護ノート、医療費の立替領収書、写真、生前のメールや手紙など、客観的な証拠資料の提出が厳密に求められます。

さらに、認定されたとしても遺産のすべてが分与されるとは限らず、「介護の労力に見合う金額」として預貯金の一部のみが認められ、残余財産は国庫へ納められる事例も多く報告されています。内縁の配偶者を確実に守るためには、特別縁故者の審判に期待するのではなく、生前に法的に有効な手立てを打っておくことが絶対条件となります。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。