恵比寿の鮨シーンで今最も熱いのは、一見客を寄せ付けない完全予約制の隠れ家だ。表通りから完全に隠された暗証番号付きの扉、あるいは看板のない古民家の奥に広がるのは、わずか6席から8席ほどの研ぎ澄まされた空間である。こうした店がなぜメディアに露出しないのか。理由はシンプルで、すでに常連の次回予約だけで向こう半年から1年のシートが埋まり切っているからだ。
かつては食べログ(カカクコム)の評点を頼りに店を探すのが定石だったが、最先端の隠れ家名店はあえてレビューサイトへの掲載を制限し、独自の紹介制ネットワークや顧客台帳で運営を完結させている。席数が極限まで絞られているため、一度ファンがついた店は外部からのアクセスがほぼ不可能になる。これこそが、恵比寿で極上の席を確保することが「都市伝説」のように語られる裏事情である。