結論から言えば、技術的に構造を理解していれば破壊せずに取り外すこと自体は物理的に可能だ。アルミ製の封印カップは、下部にあるスチール製または真鍮製のベース台座に対して外周フチを折り込む形で固定されている。この金属の展性を利用するのが、いわゆる「非破壊取り外し」の理屈である。
作業において多用される工具は以下の通りだ。
・精密極薄マイナスドライバー(刃幅1.5mm〜2.0mm程度)
・先細ラジオペンチおよび千枚通し
・ヒートガンまたはドライヤー(アルミを微加熱して柔軟性を高める目的)
・養生テープ(ナンバープレート本体のキズ防止)
手順としては、まず封印カップ周囲を徹底的に保護した上で、カップの底面とベース台座の極小の隙間に極薄ドライバーを差し込む。周状に少しずつテコの原理を効かせながら、内側に折れ込んだアルミのリップ(返し)を外側へ押し広げていく作業を繰り返す。一箇所に無理な力を加えるとアルミが裂けて変形するため、円周を360度均等に少しずつ持ち上げる集中力が求められる。
しかし、ここで最大の注意点が存在する。どれほど丁寧に作業しても、金属疲労による細かな傷や歪みは免れない。そして何より、許可なく封印を脱着する行為そのものが道路運送車両法に触れる可能性がある点だ。外せたとしても、それを再利用して公道を走行することは法律上大きな問題を孕んでいる。