映画『水のないプール』の元ネタ事件とは?内田裕也が遺した衝撃結末の真相

映画『水のないプール』の元ネタ事件とは?内田裕也が遺した衝撃結末の真相

映画『水のないプール』の元ネタ事件とは?内田裕也が遺した衝撃結末の真相について押さえておきたい ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

物語の主人公・水村良吉(内田裕也)は、都内の地下鉄駅で働く実直な改札係。感情を押し殺した無表情で通勤客の切符を切り続ける日々を送っていますが、その精神は都市の無機質な喧騒の中で完全に摩耗していました。ある日、薬局から麻酔薬であるクロロホルムを入手した水村は、夜の闇に紛れて独身女性のアパートの鍵を解錠し、室内に忍び込むという危険な領域へと足を踏み入れます。

標的となったのは、自立した生活を送る若い女性・ジュン(原田美枝子)。水村は眠るジュンにクロロホルムを浸した布を押し当て、意識を奪った上で凶行に及びます。一度の成功が彼の中のストッパーを外死、犯行は次第にエスカレート。ターゲットを次々と変えながら侵入を繰り返しますが、水村の心に去来するのは征服感ではなく、どこまで他者を傷つけても決して潤うことのない虚無感でした。

衝撃の結末では、水村の抑制が完全に崩壊します。再びジュンの部屋を襲撃した際、計画は狂い始め、自らの逃げ場を失った水村は冬の凍てつく市民プールへと逃げ込みます。水が完全に抜かれ、コンクリートの底が剥き出しになった巨大なプールの中で、水村は衣服を剥ぎ取り、枯れ果てたプールの底を絶叫しながら疾走します。「水のないプール」とは、渇望しながらも決して満たされることのない水村の精神そのものであり、他者との接続を断たれた都市生活者の孤絶を突きつける痛烈な暗喩として幕を閉じます。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。