作品の核を担った伝説のトリオ、芦屋瑞稀役の堀北真希、佐野泉役の小栗旬、そして中津秀一役の生田斗真。2026年現在の彼らの立ち位置は、それぞれの美学と生き様を鮮明に映し出している。2017年に惜しまれつつ芸能界を引退した堀北真希は、現在も表舞台に戻ることなく穏やかな家庭生活を最優先に送っている。当時の撮影現場において、わずか18歳だった彼女は真夏の猛暑の中で学ランを着込み、男装の声を保つために喉を酷使しながら演技に挑んでいた。共演者やスタッフを驚かせたのは、過酷なスケジュールの中でも一切の泣き言を漏らさないプロ意識だったという。
一方、佐野泉を演じた小栗旬は、その後も日本映画・ドラマ界の第一線でトップランナーとして君臨し続けている。大型時代劇や国際的大作で主演を張りつつ、俳優事務所の経営陣としても手腕を発揮するなど、日本エンターテインメント界を牽引する重鎮となった。当時の小栗は『花より男子』のクールな役柄からの連続だったこともあり、無口な佐野というキャラクターの感情表現について監督と連日夜遅くまで議論を重ねていたという裏話が残っている。
そして中津役で破格のコメディセンスを開花させた生田斗真。近年では独立を果たし、実力派俳優として映画や舞台、ドラマと縦横無尽に活躍の場を広げている。劇中で視聴者を爆笑させた「中津一人芝居(妄想劇場)」の多くは、実は生田自身の即興アイデアやリハーサルでのアドリブがそのまま採用されたものだった。現場の空気を瞬時に察知し、共演者の素の笑顔を引き出す天才的なムードメーカーだった彼の存在なくして、あのコミカルな空気感は生まれ得なかった。