二人の関係性を語る上で外せない原点が、1981年から1989年にかけて放送された『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)です。土曜夜8時の絶対王者であったTBS系『8時だョ!全員集合』を打ち破るべく、若き日の二人は過酷を極める現場でタッグを組みました。
伝説のコーナー「タケちゃんマン」において、正義の味方に扮するたけしと、ブラックデビルやアミダばばあといった怪人を演じるさんまのアドリブ合戦は、台本を無視した命懸けの真剣勝負でした。当時の制作スタッフの手記や特番での回想によると、スタジオ収録は常に緊迫感に満ちており、たけしが突然投げかける無茶振りに対して、さんまが瞬時に機転を利かせて爆笑を奪い返すという、極限の緊張状態が毎週繰り広げられていました。
さんまは過去のインタビューで「あの人は常に俺の斜め上からとんでもない剛速球を投げてきた。受け止め損ねたら死ぬという恐怖と、打ち返した時の快感はたけしさん相手でしか味わえなかった」と語っています。また、1986年のフライデー襲撃事件や1994年のバイク事故といった、たけしの人生を揺るがす重大局面において、さんまは番組を守り、復帰を誰よりも待ち望む姿勢を貫きました。この泥沼の戦場で培われた戦友としての絆こそが、現在に至る強固なリスペクトの基盤となっています。