二つの揚げ物を隔てる最大の境目は、ずばり「衣に使う粉の種類」と「肉への下味の揉み込み方」にある。
唐揚げは、食材に薄く小麦粉や片栗粉、あるいはそのミックス粉をままぶして油で揚げる調理法全般を指す。肉自体に下味をつけない場合もあれば、塩コショウやにんにく醤油で軽く味付ける場合もある。衣が水分を吸ってしっとり、あるいはサクッとした軽快な歯ごたえを生むのが特徴だ。実は鶏肉だけでなく、魚介類や野菜の揚げ物も広く「唐揚げ」と呼ばれる。
一方の竜田揚げは、より厳格なプロセスを辿る。醤油やみりん、酒でしっかりと肉に濃い下味を染み込ませた後、水分を軽く切って片栗粉だけを全体にまぶす。揚げると、醤油の糖分とタンパク質が加熱されてメイラード反応を起こし、独特の深い赤褐色に染まる。片栗粉が吸い分けた油と水分が白い斑点状の模様を生み、表面はザクッと香ばしく、中はジュワッと肉汁が溢れ出す構造になるのだ。