蒲郡の食文化を語る上で外せないのが、深海魚の存在だ。水深数百メートルの三河湾沖で獲れる「メヒカリ(アオメエソ)」は、かつては地元漁師のプライベートな味覚に過ぎなかった。しかし今、この小魚が高級料亭やおしゃれなバルで主役に躍り出ている。
外はサクッと、中は驚くほどふっくらとした揚げたての「メヒカリの唐揚げ」は、噛んだ瞬間に脂の甘みと旨味が口いっぱいに広がる。竹島水族館の目と鼻の先にある老舗食堂からモダンな居酒屋ランチまで、店ごとに異なる衣の工夫や秘伝の塩・タレの競演が見事だ。一食の価値が間違いなくある。