兄二人が脚光と批判の狭間で激しい浮き沈みを経験する姿を間近で見てきた三男クルズは、対照的に「着実な下積み」を重視するスタンスを貫いています。
クルズは少年時代からピアノ、ギター、ドラムなどの楽器演奏を独学を含めて習得し、ボーカルレッスンに何千時間もの時間を費やしてきました。有名プロデューサーたちとのコネクションを安易に使って安価なヒットを狙うのではなく、ロサンゼルスのスタジオに長期間こもり、自ら作詞作曲を手掛けるクリエイティブを磨いています。SNSでの軽率な発信を極力控え、音楽制作のプロセスだけをストイックに共有する姿勢は、批評家筋からも好意的に受け止められています。
一方、末っ子のハーパーは、ベッカム家にとって唯一の娘であり、家族全員から溺愛される存在です。デヴィッドが「娘のために何でも作ってあげたい」と語る様子は世界中で微笑ましく報じられてきましたが、思春期を迎えた彼女に対して、両親はSNSの利用を制限するなど、兄たちが経験したネットリンチから守るための慎重な教育方針をとっています。
母ヴィクトリアのブランドショーでは常に最前列に座り、エレガントな装いでメディアの注目を集めるハーパーですが、両親の過剰なブランディングの道具にされることなく、健全な学校生活を送らせるための配慮が徹底されています。ベッカムファミリーが過去の反省を生かし、子供たちの守り方をアップデートしていることが窺えます。