巻き三つ折りパンフレットで「仕上がりがズレた」と後悔する人が後を絶たない理由とは?実は内面を小さく設計しないと重大なトラブルに発展します。展開された長方形の紙を内側へ巻き込むように2箇所で折る構造上、最も内側に位置する面が外側の2面と同じ幅を持っていると、折り目の内径に物理的な逃げ場がなくなります。
紙には目に見えない「厚み」が存在します。商業印刷で頻繁に使われるコート紙110kgや135kgでは、紙厚が約0.10mm〜0.13mmに達します。一見わずかな厚みですが、これを鋭角に2回折り曲げることで、外側の紙は引っ張られ、内側の紙は押し縮められる応力が働きます。内面が他の面と同じサイズだと、折り目の溝(谷部分)に端が衝突し、紙面全体が山型に膨らみ、表紙が完全に閉じない「背浮き現象」を引き起こします。
さらに深刻なのが、折り位置が無理やり外側へ押し出されることで発生する「デザインの巻き込み・はみ出し」です。表紙の端に裏面のフチが数ミリ露出したり、逆に内側の写真が表紙側に回り込んだりして、全体のレイアウト精度が著しく損なわれます。巻き三つ折りが失敗しない理由は、紙の厚みを先回りして計算し、巻き込まれる内面寸法をあらかじめ短く(減寸)しておく緻密な前処理にあります。