気温や湿度が高い環境下で体温が上がると、体内では皮膚血管を広げて熱を逃がそうとする防御反応が働きます。しかし、大量の発汗に対して水分補給が追いつかないと、脱水症状によって血液量が減少し、全身の循環バランスが崩壊します。
脳へ十分な酸素と血液を届けるため、頭蓋骨内の主要な血管は無理に拡張しようとします。このとき、眼球周辺に張り巡らされている三叉神経(さんさしんけい)や血管が強く刺激され、「目の奥をえぐられるような痛み」や「脈打つような頭痛」として知覚されるのです。
さらに、過酷な暑さは自律神経の乱れを直接引き起こします。自律神経が担う体温調節機能が限界を迎えると、末梢血管の収縮と拡張のコントロールが効かなくなり、眼圧の変動感やピント調節筋(毛様体筋)の緊張が重なって、目の奥の強い不快感へと発展します。これが、熱中症の初期症状として目の奥の痛みが現れる明確なメカニズムです。