金融車の出品ページに必ず記載されている「名義変更不可」の文言。これは単なる販売店の都合ではなく、日本の自動車登録制度における鉄壁の法律上の壁が存在するからです。
道路運送車両法に基づき普通自動車の名義変更(移転登録)を行うには、車検証に記載された「所有者」の実印が押印された譲渡証明書、発行後3ヶ月以内の印鑑登録証明書、委任状の原本が不可欠です。しかし、金融車における真の所有者はローン会社やディーラーです。当然ながら、残債を踏み倒されて車を持ち去られた信販会社が、見知らぬ第三者への譲渡書類を発行する道理はありません。
「使用者名義だけを自分の名前に変えればよいのではないか」と考える人もいますが、使用者の変更登録であっても所有者の承諾書(委任状)が求められます。つまり、金融車を購入した人間は、道路交通法上も民法上も、前オーナーや信販会社の所有物を「勝手に乗り回している第三者」のポジションから抜け出すことが法的に不可能なのです。