豚の体脂肪率は15%?「太っている」の嘘とアスリート並みの真実

豚の体脂肪率は15%?「太っている」の嘘とアスリート並みの真実

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豚の祖先である野生のイノシシと比べると、その体組成にはどのような変化が生じているのでしょうか。生物学的な比較を通じて、進化と人間による介入の痕跡が浮かび上がります。

山野を駆け巡る野生イノシシの体脂肪率は、エサが少なく運動量の多い春から夏にかけてはおよそ10%〜12%程度と、極限まで研ぎ澄まされています。冬眠はしないものの、冬の寒さに耐えるために秋口にドングリなどを過食して脂肪を蓄えますが、それでもピーク時で15〜18%前後に留まります。

野生のイノシシは自らエサを探し、天敵から逃げ延びる必要があるため、無駄な脂肪をつけることは生存リスクに直結します。一方、家畜化された豚は、運動が制限された豚舎で高カロリーな濃厚飼料を与えられて育ちます。

本来であれば運動不足と飽食によって極度の肥満になりそうな環境でありながら、それでも体脂肪率が15%前後に保たれているという事実は、人間が何世代にもわたって行ってきた「筋肉を増やす遺伝子選抜」がいかに強力であったかを如実に物語っています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。