SNSやネット掲示板上では、依然として「ステロイドを塗り続けると体に蓄積して毒になる」「脱ステロイドこそ唯一の治癒法」といった根拠のない言説が散見されます。しかし、日本皮膚科学会をはじめとする専門機関は、自己判断による急激な薬剤中断に対して強く警鐘を鳴らしています。
ネットの誤情報を信じて脱ステロイドに踏み切った40代女性は、手記のなかで次のように振り返っています。「薬を断って半年後、全身から浸出液が止まらなくなり、歩行困難と重度感染症で緊急入院した。医師から『適切なランクのステロイドで火消しをしていればここまで悪化しなかった』と告げられ、民間療法に数百万円を注ぎ込んだことを深く後悔した」。
ステロイド外用薬は正しく使用すれば血中に過剰吸収されることはなく、炎症という「火事」を素早く消火するための必須ツールです。火が消えた後に保湿剤や新規外用薬へ移行する「段階的ステップダウン」こそが、皮膚科専門医が推奨する最も安全で科学的な回復ルートです。