小島慶子が40代前半で受けた発達障害(軽度ADHD:注意欠如・多動症)の診断は、彼女の半生における最大の転換点でした。TBS時代から感じていた「物事の優先順位がつけられない」「感情のブレーキが効きにくい」「激しい衝動性と過集中」といった感覚のズレが、個人の性格の欠陥ではなく脳の特性によるものだと判明した瞬間でした。
かつては摂食障害(過食嘔吐)やパニック障害、重度の不安症状にも苦しめられた過去を持ち、それらは厳格な家庭環境や母親との確執(いわゆる母娘の共依存・毒親問題)とも深く絡み合っていました。自著『解縛(げばく)』では、母親からの過剰な期待と精神的支配からいかにして抜け出したかが克明に綴られています。
現在、彼女自身の健康状態は極めて安定しています。自身の特性を理解したことで、「できない自分」を責めることをやめ、スケジュール管理の外部化や生活動線の単純化など、環境調整によってパニックを防ぐ工夫を徹底しています。自身の弱さや過去の傷を隠蔽せず、オープンに社会へ提示する彼女の姿勢は、大人の発達障害に悩む同世代の読者にとって心強い道標となっています。