新体力テストで用いられるスメドレー式握力計は、握る力だけでなく測定器の構造に合わせた「技術」によって数値が数キロ単位で変動します。体力測定の当日に実力を100%発揮するための握力測定器の正しい測り方とコツを解説します。
最大のポイントは「握り幅の調整」です。学校の測定現場では、前の生徒が使った幅のまま慌てて握ってしまうケースが後を絶ちません。スメドレー式握力計のギザギザした調整ネジを回し、人差し指の第2関節がほぼ直角(約90度)に曲がる位置にグリップを設定してください。指が伸びすぎても深すぎても、筋肉の張力が最も発揮される「至適筋線維長」から外れてしまい、本来のパワーが出力されません。
測定時の身体の使い方にも重要な手順があります。
- 立ち位置と腕の角度:直立姿勢を保ち、腕を身体の側面に自然に下ろします。腕が胴体に触れると反動測定とみなされ無効(ファウル)になるため、体側から拳1個分ほど離すのがルール上の基本です。
- 脱力からの一瞬の爆発:最初から力んで握り始めると前腕が早期疲労します。軽く添えた状態から、合図とともに1〜2秒で一気に100%の出力を集中させます。
- 呼吸と連動させる:歯を強く食いしばりながら「短く鋭く息を吐き出す(フッ!と息を吐く)」ことで、腹圧が高まり交感神経が刺激され、筋出力が向上します。
これらの基本姿勢と設定を守るだけで、筋力そのものを変えずとも、機械的な伝達ロスをなくして自己ベストを2〜3kg更新することは十分に可能です。