アワビとトコブシを判別する際、最も信頼性が高く現場の目利きも瞬時に確認するのが、殻の縁に沿って並んでいる「呼水孔(こすいこう)」と呼ばれる呼吸や排泄のための穴です。
アワビの殻に開いている開口した穴の数は通常3個から5個です。さらに特徴的なのはその形状で、穴の周囲が火山の噴火口や煙突のように外側へ盛り上がっています。一方、トコブシの穴の数は一般的に6個から8個前後と多く、穴の縁は盛り上がらずに殻の表面とほぼ平坦になっています。個体の大きさに関わらず、穴の数と盛り上がりの有無を確認するだけで、誰でも数秒で確実に識別可能です。
また、成体のサイズにも明確な境界線があります。トコブシの最大サイズはおよそ7cmから8cm程度で成長が止まります。対して市場に流通するアワビ(クロアワビやエゾアワビなど)は10cm〜20cm近くまで大きく育ちます。ただし、手のひらに収まる小ぶりな貝の場合、「アワビの幼貝(稚貝)」と「成熟したトコブシ」の外見が酷似するため、サイズのみに頼らず必ず穴の数と形状を照合することが必須となります。