日本のイタリア料理史を紐解く上で、創業者・川添浩史の存在を外すことはできない。1960年代、麻布キャンティを開業した彼は、単なる飲食店にとどまらず、政財界の重鎮やアーティストが集う日本初の「文化サロン」を作り上げた。その伝説的な美学と料理への情熱は、時を経て新たなカタチへと進化を遂げる。
その情熱を脈々と受け継ぎ、より多くの人々へ手軽に美味しい料理を届けるべく誕生したのがイル・キャンティであり、その精神的故郷となったのが笹塚の地だ。敷居の高い高級店ではなく、誰もが気兼ねなく集えるカジュアルダイニングのスタイルを築き上げたこと。これこそが、日本の外食文化における一つの革命であった。