科学の発見は、絵描きたちのキャンバスを常に刺激し続けている。恐竜の生前の姿を科学的知見に基づいて復元する「古生物アート(パレオアート)」の世界は、ここ数年で劇的なパラダイムシフトを迎えた。福井県立恐竜博物館や東京・上野の国立科学博物館に足を運べば、かつての冷徹な爬虫類というイメージは過去のものとなり、極彩色や柔らかな羽毛をまとった躍動的な姿が展示室を埋め尽くしている。
「ダイナソー小林」の愛称で世界的な発掘成果を上げ続ける古生物学者・小林快次教授らの研究によって、恐竜たちの生態や姿勢、子育ての様子に至るまでが生々しく解き明かされてきた。唇の有無や羽毛の生え際といった最新の学術的トピックは、簡略化されたイラストに豊かなストーリーと命を吹き込むための最高のスパイスとなる。