三島市を訪れる多くの人々が口にする特産品といえば「うなぎ」です。海に直接面しておらず、大規模なうなぎの養殖池があるわけでもない三島が、なぜ日本有数のうなぎの聖地と呼ばれるようになったのでしょうか。
その決定的な理由は、富士山の湧水による「晒し(水締め)」の工程にあります。各地から仕入れたうなぎを、年間を通じて約15〜16度に保たれたミネラル豊富な富士山の伏流水に数日間泳がせることで、特有の泥臭さや余分な脂分が完全に抜け落ちます。この清冽な水で身が引き締まり、格段に風味が向上したうなぎを熟練の職人が備長炭で焼き上げるため、他所では真似のできない上質な味わいが完成します。
さらに、箱根西麓の肥沃な火山灰土壌と寒暖差が育む「箱根西麓三島野菜」(三島馬鈴薯や大根など)も全国的なブランドとして定着しており、豊かな風土が質の高い食文化を力強く支えています。