松本盆地は周囲を高い山々に囲まれた内陸性気候の典型とされる。だが、2026年の気候データは明らかに従来のパターンからの脱却を示している。北アルプスからの下降気流がもたらすフェーン現象の頻度が増加し、春先の急激な気温上昇と急激な降雨の二段構えが常態化しつつあるのだ。
特に注目すべきは、時間あたりの降水量変化だ。かつての松本は「雨が少ない街」として知られていた。年間降水量は全国平均を下回り、カラッとした空気が特長だった。しかし今年に入り、短時間での集中豪雨が増加。気象庁の長期データ分析によれば、大気中の水蒸気量増加と山岳地形が複雑に干渉し合い、ピンポイントで雲が発達しやすい環境が整っているという。