日本の火葬体制を法的に支えているのが「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)である。この法律に基づき、厚生労働省は公衆衛生の維持と国民感情への配慮を両立させる施設基準を定めてきた。さらに環境省による大気汚染防止法やダイオキシン類対策特別措置法が加わり、火葬施設に対する環境基準は二重三重の法的枠組みで守られている。
行政の指導指針は、単に有害物質の数値を規制するだけにとどまらない。周辺住民への事前説明プロセスの透明化や、災害時における稼働継続計画(BCP)の策定など、地域インフラとしての信頼性を確保するための要件が年々アップデートされている。
行政機関と専門機関が密接に連携し、科学的根拠に基づいた測定と厳密な保守点検を義務付けているからこそ、煙突のない斎場が都市の真ん中でも安全に稼働し続けられるのである。