『とと姉ちゃん』における坂口健太郎の役名は「星野武蔵」。帝大で植物学の研究に没頭する青年として登場し、寝癖のついた丸メガネ姿と不器用ながら一本気な性格が、視聴者の心を瞬く間に掴みました。物語の青春期、常子と惹かれ合いながらも戦争の足音と家庭の事情によって一度は無念の別れを経験します。
その後、終戦を経て物語が雑誌『あなたの暮し』の出版事業に軸足を移した第19週、多くのファンが待ち望んだ「星野の再登場」が実現。妻に先立たれ、二人の幼い子供を男手ひとつで育てる製薬会社の研究員となった星野は、常子と運命の再会を果たします。子供たちを交えた温かな交流のなかで、星野はついに「僕と家族になってくれませんか」と魂のこもったプロポーズを行いました。
しかし、ドラマが描いたのは単純なハッピーエンドではありませんでした。小橋家の家長(とと)として雑誌作りに命を懸ける常子の使命感と、地方転勤が決まり子供たちの生活を守る責任を負う星野の現実。お互いを深く想い合っているからこそ、相手の生きる道を尊重して別離を選ぶという「大人の究極の純愛」としての結末が描かれ、放送直後にはTwitter(現X)で関連ワードがトレンドを席巻しました。