映画公開当時から現在に至るまで、大手レビューサイトやSNS上では、橋本愛さんの演技に対して多角的な考察が寄せられています。当時の映画レビューや鑑賞者の声を分析すると、評価のポイントは主に3つの側面に集約されます。
第一に挙げられるのが、主演・染谷将太さんとの相乗効果です。子役時代から数々の名作で実力を証明してきた染谷さんと、思春期の陰影を表現させたら右に出る者がいない橋本さん。実力派若手俳優同士が対峙したときの緊張感は、CGモンスターのバトルに勝るとも劣らないスリルをスクリーンにもたらしました。
第二に、感情を爆発させるシーンでの「声のトーン」です。新一に対して抱えていた不安を吐露する場面や、クライマックスでの叫びなど、普段の静謐な佇まいから一転して放たれる感情のエネルギーに対し、視聴者からは「鳥肌が立った」「彼女の演技で泣かされた」という声が多数寄せられました。
第三に、山崎貴監督が描くエンターテインメント大作の中に、作家性の強いインディペンデント映画のような「生々しい手触り」を持ち込んだ点です。壮大なVFXアクションに埋没することなく、生身の人間の体温を作品全体に残した功績は、橋本愛さんの卓越した存在感によるものと言えます。