作中のシリアスかつ緊迫した名場面が、なぜ掲示板やSNSで日常的に使われるネットスラングへと変貌を遂げたのか。その背景には、ネットカルチャー特有の文脈の受容プロセスが存在します。
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のニュース速報VIPやなんでも実況J(なんJ)などの掲示板群では、2010年代初頭から「誰かが自滅的な発言をして炎上した時」や「オンライン対戦ゲームで相手が無謀な突進をして自爆した時」に、ネテロの合掌シーンのアスキーアート(AA)やキャプチャ画像とともにこのフレーズが多用されてきました。
さらにブームを加速させたのが、「悪手じゃろ コラ」の隆盛です。ネテロの冷徹な表情や合掌する姿、あるいは吹き飛ばされるピトーの顔を、他作品のキャラクターや時事ニュースの当事者に差し替えたパロディ画像がネット上に大量に投稿されました。言葉としての語感の良さ(広島弁・土佐弁を彷彿とさせる「〜じゃろ」の響き)と、「取り返しのつかない致命的ミスを的確に突く」という汎用性の高さが、ネットミームとしての長寿化を決定づけた要因です。