事件の主たる舞台となったのは、医療機関や社会福祉施設に対して公的な融資を行う独立行政法人福祉医療機構(WAM)である。本来であれば公的な使命を帯びた厳格な融資枠組であり、悪質業者や不当な介在を排する仕組みが整えられているはずだった。しかし、被告らは制度の隙間と「元市議」という信頼の威光を徹底的に利用した。
医療福祉資金融資詐欺事件の手法は、融資を希望する医療法人に対して「確実な審査通過」や「特別な返済猶予」を謳い、多額の手数料を要求するというものだった。提出書類の改ざんは日常茶飯事であり、公的機関のチェック体制の緩さが浮き彫りとなった衝撃的な事例として記憶されている。