渡哲也を最側近として仰ぎ続けたのが、俳優の舘ひろしだ。渡の後背を追い続け、石原軍団のエースとして活躍した舘にとって、渡は単なる事務所の先輩を超えた人生の師であり、実の兄のような存在であった。
舘が後に明かした最期の交流において、渡は自らの死期を悟りながらも、遺される後輩たちの未来を何よりも案じていたという。「ひろし、あとは頼んだぞ」――短くも重みのあるその言葉には、軍団を率いてきた男の覚悟と、次なる時代を託す温かな信頼が込められていた。最期まで自己の苦痛を隠し、後輩の飛翔を祈り続けた姿に、舘は涙を禁じ得なかったと語る。