展示空間の中核を担うのは、番組の生みの親である東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦氏と、研究室の卒業生によって結成されたクリエイティブグループ「ユーフラテス(EUPHRATES)」が手掛けた膨大なプロトタイプ群です。番組開始から20年以上の歳月をかけて生み出されてきた「ピタゴラ装置」の設計図、失敗を重ねた試作パーツ、歴代の代表作の実機が惜しみなく公開されています。
展示の白眉となるのが、特設ステージで繰り広げられる「ピタゴラ装置の実機展示と公開実演」です。定規、クリップ、セロハンテープ、乾電池といったありふれた日用品が、重力と慣性の法則に従って完璧なドミノ倒しと連鎖運動を紡ぎ出し、最終的に番組ロゴの旗をパッと掲げる瞬間、会場全体に息をのむ静寂と割れんばかりの拍手が広がります。
さらに見逃せないのが、番組屈指の人気コーナーである「ビーだま ビーすけの大冒険」の原画・コマ撮りセットの構造解説や、「アルゴリズムこうしん」に秘められたコンピュータ科学の基礎理論の可視化です。佐藤雅彦氏が提唱する「考え方のスイッチ」——すなわち、自明だと思っている日常の風景に潜む法則性へ自ら気づく快感を、来場者自身が体感型インタラクションを通して獲得できる導線設計が極めて緻密に施されています。