『天空の城ラピュタ』や『隣のトトロ』など、壮大な世界観や幻想的なファンタジーでアニメ界を牽引してきたスタジオジブリ。その制作ラインにおいて、本作は極めて異例のプロジェクトとして誕生した。宮崎駿や高畑勲という二大巨匠が直接手掛けず、当時の若手制作陣に全権が委ねられた作品だったからだ。
もともとは日本テレビの開局40周年記念番組として制作されたスペシャルTVアニメであり、劇場用映画として大々的に企画されたものではない。しかし、完成した映像の質の高さ、そして緻密な絵コンテと繊細な演出はテレビの枠を超え、結果的に単館上映を含めた劇場展開へと結実した。巨匠たちの威光に頼らず、等身大の若者像を描き切った実験的精神こそが、本作をジブリ史上の隠れた傑作たらしめている。