セイレーンとは?実は鳥の怪物!人魚との違いやサイレン語源を解剖

セイレーンとは?実は鳥の怪物!人魚との違いやサイレン語源を解剖

セイレーンとは?実は鳥の怪物!人魚との違いやサイレン語源を解剖について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

世界中で愛飲されるスターバックス(Starbucks)のシンボルマークに鎮座している女性も、まさにこのセイレーンです。しかし、ロゴを注意深く観察すると、彼女は鳥の翼ではなく「2本の魚の尾」を両手で持ち上げている独特な姿をしています。

なぜシアトル発祥のコーヒー企業がセイレーンを採用し、かつ二股の尾を持っているのでしょうか。その背景には、中世ヨーロッパの図像学と企業ブランディングの緻密なストーリーが存在します。

1971年の創業時、創業者たちは「港町シアトル」と「コーヒー豆を運ぶ大海原の航海」を結びつけるシンボルを模索していました。そこでデザイナーが16世紀の北欧木版画(古書に描かれた挿絵)から見つけ出したのが、「双尾のセイレーン(Melusine/メリュジーヌとも習合される二股尾の人魚)」の図像でした。

中世のキリスト教社会において、ラテン語の動物誌『フィシオロゴス』などを通じてセイレーンは「鳥」から「海に棲む怪魚」へと誤訳・再解釈され、さらに2つの尾を持つ異形の魔女として描かれることがありました。スターバックスは、「かつてセイレーンが船乗りたちを歌声で魅了してやまなかったように、香り高い至高のコーヒーで人々を魅了し、店へと引き寄せる」というコンセプトを掲げ、この神話の怪異をブランドの顔に据えたのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。