感染直後は体内に強力な抗体が形成され、一定期間は再感染を防げるはずではなかったのか。感染症専門医はこの現象について、「複数系統の同時流行」と「粘膜免疫の急速な低下」という二重の要因が絡み合っていると指摘する。
第一に、現在市中で複数の変異株亜系統(サブバリアント)が同時に蔓延している点が挙げられる。1度目に特定の系統に感染して免疫を得たとしても、直後に別の系統のウイルスと接触すれば、獲得した抗体が十分に機能せず突破されてしまう。第二に、感染によって作られる鼻腔や咽頭の粘膜免疫(IgA抗体)は、血液中の抗体に比べて寿命が短く、わずか数週間で防衛ラインが弱まる。体調の戻りきらない時期に強いウイルスに曝露されれば、短期間であってもあっけなくすり抜けが起きてしまうのだ。