人間の体温にはサーカディアンリズム(体内時計)が存在し、通常でも早朝に最も低く、夕方から夜にかけて約0.5℃〜1℃ほど高くなる生理的変動があります。しかし、平熱を明らかに超える37.0℃〜37.5℃前後の微熱に加え、締め付けられるような頭重感や脈打つ頭痛が連夜続く状態は、身体が許容量を超えた負荷に悲鳴を上げている明確なシグナルです。
夜になると微熱が出る理由として最も頻度が高いのが、自律神経系の機能不全です。日中の活動を支える交感神経から、夜間の休息を司る副交感神経へとスムーズに切り替わらない場合、血管の収縮・拡張のコントロールが破綻します。首や肩周りの筋肉が過度に緊張したまま弛緩できないと「緊張型頭痛」が誘発され、逆に急激な血管拡張が起きるとズキズキと痛む「片頭痛」へと発展します。これらに交感神経の過剰興奮に伴う代謝亢進が加わることで、微熱と頭痛の連鎖が発生するのです。
また、精神的ストレスや過労が蓄積した状態では、脳の視床下部にある体温調節中枢が刺激され、交感神経を介して熱産生が促される「心因性発熱」が引き起こされます。このタイプの発熱は炎症を伴わないため、一般的な感染症のように風邪薬を服用しても体温が下がりにくいという厄介な特徴を持っています。