大金が動く懸賞金ですが、税制上の扱いは非常にシビアです。力士が獲得した懸賞金は、税法上「事業所得」または「一時所得」として課税対象になります。
相撲協会の事務局は、前述した通り1本あたり3万円の積立金をあらかじめ天引き保管しています。力士が毎年3月に確定申告を行う際、税理士を通じて算出された所得税額に応じて、この積立金から税金が直接納付されるシステムが構築されています。
若手力士や勝ち越したばかりの前頭力士にとって、この積立制度は大きな助けとなります。一気に数十本〜数百本の懸賞金を獲得して豪遊してしまい、翌年の住民税や所得税が払えなくなるというリスクを完全に排除しているためです。
確定申告を終えて税金を納めた後、積立金に残額(余剰分)があれば力士本人の口座へ正式に還付されます。また、現役を引退する際には積み立てられた残金が全額精算されて手元に戻るため、力士のセカンドキャリアを支える退職金代わりの資産形成としても機能しています。