転機は突如として訪れた。2013年1月、静岡県沼津市内のホテルの駐車場で発生した自動車死亡事故である。自身が運転する車で歩行者をはねてしまうという痛ましい過失は、彼女の人生とキャリアの展望を根底から覆した。
事故直後、千野志麻は出演中だったすべての番組を即座に降板。警察の取り調べに誠実に応じ、遺族への真摯な謝罪と示談を重ねた。法的には略式起訴による罰金刑という形で刑事処分は確定したものの、奪われた命の重さと、人気アナウンサーという社会的立場がもたらしたバッシングの嵐は凄まじかった。
メディアからの激しい追及に対し、彼女が選んだのは「弁明」ではなく「完全な沈黙」だった。記者会見などで自己主張をすることなく、自らの意志でマイクを置き、公の場から完全に気配を消す道を選んだのである。