「漫才とコントの境界線が曖昧だ」と言われる最大の原因が、「コント漫才」の存在です。漫才は大きく分けて「しゃべくり漫才」と「コント漫才」の2系統に分類されます。
しゃべくり漫才の特徴は、舞台衣装を着た芸人本人が日常の疑問や愚痴、独自の主張をテーマに、マイクの前から動かずに会話だけで笑いを生み出す点です。昭和の横山やすし・西川きよしから、平成・令和のブラックマヨネーズ、中川家、錦鯉などが代表例であり、話術そのものの力量がダイレクトに試されます。
一方のコント漫才の定義とは、「ちょっとラーメン屋の店員やってみて」「俺が強盗やるからお前人質やって」といった導入(フリ)から、漫才の途中で登場人物になりきって劇を始めるスタイルを指します。サンドウィッチマンやNON STYLE、チュートリアルなどが得意とする形式です。コント漫才は一見コントに見えますが、以下の要素があるため「漫才」として成立しています。
- 導入とオチが芸人本人:ネタの開始時と終了時に必ず素の芸人に戻り、「もうええわ」と客席に礼をしてハケる。
- ツッコミが観客目線:劇中に入り込みすぎず、ツッコミが客席側を向いて「いや何やってんねん!」と現実へ引き戻す役割を果たす。
- 小道具の不在:小道具を使わず、マイム(身振り手振り)で状況を観客に想像させる。