SNSや知恵袋などのコミュニティでは、「他撮りされた写真が絶望的にブサイクで外出するのが怖くなった」「自撮りと他撮りで顔の輪郭が別人のように変わる」といった悲痛な声が後を絶ちません。しかし、カメラ工学の観点から検証すると、スマホの外カメラ(メインカメラ)で普通に撮影された顔は、肉眼の見え方とは構造的に異なります。
一般的なスマートフォンの標準カメラは、広角レンズ(35mm判換算で24mm〜28mm前後)が採用されています。広角レンズは広い視野を1枚に収める特性上、「中央に近い被写体が前方に突き出して大きく見え、周辺部が引き伸ばされる」という光学的な歪み(パースペクティブ)を物理的に発生させます。至近距離から他撮りされた場合、鼻が大きく強調され、顔の余白が広がり、目が小さく写ってしまう現象が必然的に起こります。
人間の肉眼の視野角と遠近感のバランスは、焦点距離に換算すると約50mm前後(標準レンズ)に最も近くなります。つまり、被写体から1メートル以内の距離でスマホの広角カメラを向けられた場合、その写真は「他人の肉眼が見ているリアルな顔」ではなく、「光学的に引き伸ばされた歪み顔」が記録されているに過ぎません。