かつて子ども時代を過ごした世代だけでなく、なぜ10代・20代のZ世代までが彼らに夢中になっているのでしょうか。サンリオショップの店頭やポップアップストア、SNS上の言論空間を観察すると、明確な3つの構造的理由が浮かび上がってきます。
1. 「泥臭い挑戦」を見せるリアルなストーリーテリング
はぴだんぶいは結成以来、ただ新商品を発売するだけのユニットではありませんでした。実際に楽器を練習してバンド演奏に挑戦したり、お笑い芸人から指導を受けてコントに挑んだりと、常に「未完成な姿からのステップアップ」を動画コンテンツやSNSで発信し続けました。失敗して落ち込み、それでも励まし合ってステージに立つ姿は、まるで実在するアイドルグループやオーディション番組を観ているかのような感情移入を生み出しています。
2. 昭和・平成レトロブームと「脱・完璧主義」の心理
現代のSNS社会では、他者と比較され常に「映え」や成果を求められるプレッシャーが蔓延しています。そうした息苦しさを抱える若者にとって、ハンギョドンのような「少し抜けていて、不器用で、でも憎めない」キャラクターは、究極の癒やしとして機能します。「完璧じゃなくていい、今の自分のままでいい」というメッセージが、キャラクターのビジュアルそのものから滲み出ているのです。
3. 男性層・サブカル層を取り込んだジェンダーレス戦略
従来のサンリオキャラクターは、ピンクやパステルを基調としたフェミニンな世界観が主流でした。しかし、はぴだんぶいはブルーやグリーン、ブラックを基調としたカラーリングと、80年代ストリートカルチャーの香りを纏っています。これにより、「サンリオは好きだが身につけるのに抵抗があった」という男性ファンやカルチャー感度の高い層が、アパレルやガジェット周辺のはぴだんぶいグッズ最新アイテムを躊躇なく購入できる土壌が完成しました。