文部科学省の学習費調査などを背景にした試算によると、公立小学校への入学準備にかかる初期費用は一家庭あたり数万円規模にのぼります。ランドセルや制服、標準服に加え、算数セットや給食着、上履きといった細かな指定品が積み重なるなか、小学校の入学準備とお道具箱にかかるコストを少しでも抑えたいと考えるのは自然な流れです。文具店や学校の一括購入で案内される標準的な紙製・プラスチック製お道具箱が1,000円から2,000円前後するのに対し、ダイソーやセリアでは110円から330円で類似の収納ボックスが入手できます。
SNSや保護者の掲示板を調査すると、100均お道具箱のネットの反応と口コミには期待と困惑が入り混じっています。「上の子のときもセリアのケースで6年間まったく問題なかった」「兄弟分を揃えても数百円で済んで助かった」という成功談がある一方で、「入学式翌日に机に入らないと持ち帰ってきた」「フタのロックが硬すぎて1年生の指では開けられず、中身をぶちまけて泣いた」という手痛い失敗談も多数報告されています。
教育関係者への取材によると、公立小学校におけるお道具箱の指定基準は地域や学校ごとに大きく二極化しています。「縦・横・高さの寸法が机の引き出しに合致していれば形状・材質は自由」とする柔軟な学校が増えている反面、「机の引き出しそのものをお道具箱として使うため外箱不要」とする学校や、「指導の一貫性や児童同士の比較によるトラブルを防ぐため、全員同一の指定品購入を義務付ける」学校も根強く存在します。事前の確認なしに100均でフライング購入してしまうこと自体が、最初の落とし穴となっているのが実情です。