バイク盗難の犯人をボコボコに撃退?過剰防衛の法的罠と愛車奪還の真実

バイク盗難の犯人をボコボコに撃退?過剰防衛の法的罠と愛車奪還の真実

バイク盗難の犯人をボコボコに撃退?過剰防衛の法的罠と愛車奪還の真実についての最新情報をご紹介します。

一般市民であっても、現に犯行を行っている最中、または行い終わった直後の犯人を逮捕する権利は認められています。刑事訴訟法第213条に規定される「私人逮捕(現行犯逮捕)」です。しかし、この法的権利はあくまで「逃走を防ぎ、身柄を警察に引き渡すための最低限の実力行使」を許容しているに過ぎません。

法律上、正当防衛(刑法第36条1項)が成立するためには以下の厳格な要件をすべて満たす必要があります。

  • 急迫不正の侵害が存在すること:今まさに違法な侵害が行われている状態であること。
  • 自己または他人の権利を防衛するためであること:報復や制裁を目的とした攻撃ではないこと。
  • やむを得ずにした行為であること:侵害を排除するために必要最小限の手段であること。

窃盗犯がバイクから手を離して逃げようとしている背中を追いかけて殴打したり、地面に取り押さえて無抵抗になった相手の顔面を殴り続けたりする行為は、法的に「やむを得ない限度」を明白に超えています。これは過剰防衛(刑法第36条2項)と判断され、情状により刑が減免される余地はあるものの、成立する罪名はれっきとした傷害罪(刑法第204条:15年以下の懲役または50万円以下の罰金)または暴行罪です。

日本を含む近代法治国家では、個人の権利が侵害された場合でも自らの腕力で解決を図ることを禁じる「自力救済の禁止」という大原則が貫かれています。どれほど相手が凶悪な窃盗犯であっても、国家の法手続きを経ずに加える制裁は「私刑(リンチ)」とみなされ、法が被害者を保護することはありません。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。