医療現場の生の声や、SNS・大手医療Q&Aコミュニティに寄せられる実際の相談事例を検証すると、咳に伴う背中の痛みに対して多くの人が初期対応を誤っている実態が浮かび上がる。
「2週間風邪をこじらせて咳が止まらず、ある朝咳き込んだ瞬間に背中にバキッと衝撃が走った。整形外科でレントゲンを撮ると第6肋骨が折れていた」(40代女性・会社員)
「熱が下がった後も咳をすると左背中がズキズキ痛むため、湿布を貼って我慢していたが、夜も眠れなくなり呼吸器内科を受診。胸膜炎を併発したマイコプラズマ肺炎と診断され即日入院となった」(30代男性・エンジニア)
こうした実例から見えてくるのは、「咳による骨折や胸膜炎は高齢者だけの病気ではない」という事実である。厚生労働省の患者調査や各学会の症例報告でも、20代〜40代の若年・中年層において、長引く咳喘息や急性気管支炎を契機とした肋骨疲労骨折が数多く報告されている。痛みを「我慢できるレベルだから」と放置し、激しく咳き込み続けることで、ヒビ(不全骨折)だったものが完全骨折へと悪化し、治癒に数ヶ月を要してしまうケースが後を絶たない。