台湾と中国の対立構造を理解する第一歩は、20世紀半ばに起きた国共内戦に遡ります。第二次世界大戦終結後、中国大陸では蒋介石率いる国民党(中華民国)と、毛沢東率いる共産党による激しい覇権争いが勃発しました。
1949年、内戦に勝利した共産党が北京で「中華人民共和国」の建国を宣言。敗れた国民党政府は台湾島へと拠点を移しました。この瞬間から、1つの地域に2つの異なる政治体制が併存する分断の歴史が幕を開けたのです。
当初、双方は「自らこそが中国全土を代表する唯一の正統政府である」と主張し合い、武力による相手側の奪還を目指していました。しかし、台湾は1980年代後半から民主化を急速に進め、総統直接選挙を実施するなど独自のアイデンティティを確立。専制的な一党独裁を維持する中国大陸とは、政治理念・価値観の面でも決定的な隔たりが生じることとなりました。