宝塚歌劇団の歴史は、1914年に阪急電鉄の創業者・小林一三によって産声を上げた「宝塚少女歌劇」にさかのぼる。温泉街の集客アイディアとして生まれたこの歌劇団が、まさか日本を代表する一大舞台芸術へ成長すると、当時の誰が予測できただろうか。
初代劇場から数えて長い年月を経た現在の建物も、そのスピリットを色濃く継承している。「清く 正しく 美しく」というモットーのもと、宝塚音楽学校の厳しい稽古を耐え抜いた生徒たちだけが立つことを許される舞台。大階段(おおかいだん)の26段を降りてくるスターたちの足元には、100年以上の重みと、未来へと繋ぐ無数の汗と涙が刻まれている。伝統を守りながらも、常に新しい演出や海外作品の翻案を取り入れ続ける柔軟さこそが、老舗劇場たる所以だ。